
今年9月に封切られた映画『ダンケルク』、皆さんご覧になりましたか。
スクリーンいっぱいに広がる大迫力の戦闘シーンに圧倒されたことでしょう。
IMAXでの鑑賞はさらに臨場感タップリで、スピットの優雅な飛びっぷりには
一飛行機ファンとして、これだけでもお金を払う価値があると思ったものです。
ところでこの『ダンケルク』、史実にもとづいて描かれているわけでありますが、
ただひとつ、どうしても違和感を拭いきれぬ点がございました。
そう、皆さんもお気づきのことでしょう。
「なんと、ハリケーンが1機も出てこない!」
実際のダンケルク撤退作戦ではスピットよりもハリケーンが活躍したはず。
そんなハリケーンを登場させないとは、いったいどういうことでしょう?
フライアブルな機体はたくさんあるというのに…。
それに何の脈絡もなくブレニムは登場するというのに…。なんで?
聞けばC. ノーラン監督は大のスピット・ファンとのこと。
ハリケーンを出演させることなどハナから考えていなかったのかもしれません。
作品づくりでは細部の考証に徹底的にこだわることで定評のあるノーラン監督。
救出に向かう舟艇などのディテールはよく描写されていただけに残念です。
そこで、弊誌ではこのハリケーンの名誉をまもるべく、
ここにNo.182として同機をラインナップすることといたしました。
26年前の1991年に初版を出したハリケーンの特集号No.28も絶版になって久しく、
今回このタイミングでリニューアルできたことを大変うれしく思っています。
こうして出来上がったハリケーン特集号、ぜひご購読ください。
というワケで、佐竹先生のボツカバーイラストを以下に載せました。こちらもお楽しみください。
