
巷ではF-35Bの岩国配備で大変盛り上がっておりますが、
そうしたなか、ひっそりと、さりげなく本誌No.177の
シーヴィクセン特集号が、明日全国的に発売になります。
F-35Bといえば、かのイギリス海軍も導入を決めており、
将来FAA(イギリス海軍航空隊)の主力戦闘機となるはずで、
シーヴィクセンはFAA艦上戦闘機の大先輩として
意外な因縁で結ばれることになります。
意外な因縁といえば、F-35Bの開発段階では、VTOL機の本家イギリスからも
多くのテストパイロットやエンジニアたちが参加していました。
そこでは艦上戦闘機であるシーハリアーの運用で培った多くの知見を与えたとか。
岩国に配備になったあのF-35BもFAAやこのシーヴィクセンと、
まったく無関係ではなかったわけです。なんというこの偶然!
ところで、シーヴィクセンのVixenとは、女狐という意味があります。
男をたぶらかす魅惑的な女性のことをこう呼ぶわけですが、
その名に違わず、シーヴィクセンも妖艶でグラマラスなフォルムをもち、
独特のオーラを発しております。
アメリカ機ともロシア機とも、はたまたその他の欧州機とも
違った魅力を醸し出しているこのシーヴィクセン。
本邦初となるこの特集号をぜひお手にとってご覧になって
お買い求めくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
訃報です。
『世界の傑作機』『航空ファン』など、弊社刊行物に多くの記事を寄稿していただいた
藤田勝啓(ふじた かつひろ)さんが今年1月8日逝去されました。享年75。
藤田さんは『航空情報』編集部を経て『航空ジャーナル』創刊に携わり、
その後同誌編集長を務められ、多くの記事、特集、別冊、増刊を出されました。
フリーランスになってからも、幅広い知識を生かして執筆活動を続けられ、
とくにロシア機の研究に熱心に取り組まれて、日本における同国機の第一人者ともいえました。
傑作機シリーズのソ連/ロシア機の解説はほぼ藤田さんのご寄稿によるものです。
ここに藤田さんの生前のご協力に対し改めて感謝するとともに、謹んで哀悼の意を表します。