
前号No.206に引き続き、今号も日本海軍機、それも続けて偵察機なだけに
まるで日本海軍偵察機祭りかと思われる方もいらっしゃることでしょう。
その「偵察機祭り」第2弾は愛知航空機が開発した零式水上偵察機です。
ただ、「祭り」とは申しましても、たまたま編集スケジュール上偶然に
2号連続となっただけであり、意図したわけではありません、念のため。
本誌シリーズではNo.47の「日本海軍水上偵察機」のなかのひとつとして
本機を紹介していますが、その構成上ほぼ概要の説明のみとなっていました。
引き締まった胴体に優雅な主翼と2本のフロートがうまく調和し絶妙の
スタイリングを醸し出している本機をそれで終わらせておくにはもったいない。
そこで、本機単体での徹底特集を企画、このほどその完成となった次第です。
解説は日本機研究の第一人者渡辺洋二氏に全面的に担当していただきました。
本邦では過去に取扱説明書の図版をメインにまとめた書物があっただけで、
本機の写真を大量かつ濃厚に掲載した特集は初ではないかと自負しています。
水上機王国の日本が生んだ水上偵察機の傑作「零式水上偵察機」の魅力を
本号で存分にお楽しみいただければと編集部一同心よりお願い申し上げます。

今号のカバーイラストは重巡「鳥海」の上空を飛ぶ零式水偵。惜しまれつつボツになったイラストはダイナミックなバンクシーンが描かれています。これらも捨てがたい魅力はございますが、やはり本機の運動性を考えると、本採用のイラストに落ち着きました。